幸せの相互作用

今日のお客様、静岡大学理学部物理学科4年生の小川卓也君。小川君のレポート「静岡県における幸せの総量についての考察」は、わたしがことし最も感銘を受けたプレゼンテーションのひとつである。小川君の「幸せの総量」理論を学ぶために、卒業研究の合間を縫って来社していただき、直接講義していただいた。

小川君の理論とは、静岡県内に生活する人々の幸せの総量を計数化し、人々の幸せの総量を最も効率的に増加させる方法を考察したもの。一部を抜粋するとこんな内容。

 一人ひとりの幸せの総量を
           m    ※m=3,728,946(平成25年2月1日現在の静岡県人口)
        H = Σ  hn
           n=1

 とする。

静岡県内の25~35歳の女性を読者とする「womo」。2013年3月号のwomo特集「ウワサの女子会ガイド」を読んだ読者の半数が女子会を開き、楽しい時間を過ごして、幸せの量が1増えたとすると、幸せの総量H’は

             H’ = H + 0.09m

 となり、幸せの総量は0,09m増加したことになるのだそうだ。

さらに「仕事量保存の法則」という法則を使って、幸せの総量を効率的に増加させる方法「幸せの相互作用」が秀逸。幸せの総量を一目盛り分増加させるエネルギーをつかって、2倍の幸せを生み出す企画なのだ。題して「男心をくすぐるバレンタインギフト特集」。この企画で読者の二人に一人がプレゼントしたと仮定すると、幸せの総量H'''は

             H''' = H + 0.18m

この場合の効率Eを計算すると

                0.18m
            E  = ———— = 0.18e
                W

となる。つまり「ウワサの女子会ガイド」の2倍の効率で幸せの総量が増加している。


わたしが会社説明会で話した「しずおかオンライングループの仕事は、媒体運営を通じて、地域に暮らす人々の幸せづくりを応援することです」という言葉を受けて、「幸せの総量」理論を考えてくれた小川君、ありがとう!「文系の人が多いと思ったので、思い切り理系脳を使ってアピールしてみました」という小川君のアプローチに、すっかり魅せられてしまいました。

自分たちのつくる媒体が、読者やユーザーのみなさんの幸せづくりにどれだけ貢献できているのかを計数化したり、効率的に幸せの量を増加させる企画の考え方など、小川君のプレゼンテーションは、これまで考えたこともない新鮮な発想でした。

小川君の結論は、効率よく幸せの総量を増加させるためには、情報を広く浅く発信するのではなく、ターゲットを絞って、読者やユーザーが、まわりの人と「幸せの相互作用」を生み出すような企画が重要とのこと。

2014年は、「womo」の読者のみなさんと、みなさんのお友達や大切な人、ご家族も一緒に幸せな瞬間を実感できる企画を実施して、静岡県内の幸せの総量をもっともっと増やしたいですね。


幸せの相互作用



同じカテゴリー(しずおかオンライン)の記事

海野 尚史 HISASHI UNNO

アーカイブ