『womo』の表紙イラストを描いていただいているイラストレーター米澤よう子さんの新刊『パリジェンヌ流おしゃれライフ』が、2月に文芸春秋から出版されました。 米澤さんご自身がパリに暮らした際に発見したパリの女性たちのおしゃれ術を解説したイラストエッセイです。

ファッションに加えて、インテリア、食習慣、時間(休日の過ごし方)など、 パリ女性のライフスタイル紹介にもなってるところが、これまでの本とはひと味違うところ。

表紙の見返しの「Allons--y!アロンズイ!」というキャッチと「お金をかけず、かしこく、おしゃれに。小さな幸せが見つかるフレンチ・シックな毎日」という言葉に、米澤さんから同性へのメッセージが集約されている。ちょっとした工夫で毎日にプラスαの輝きを与えてくれる生活術は、『womo』読者のみなさんもきっと参考になると思います。

「Allons--y!アロンズイ!」 というのは、フランス語の日常会話でよく使う表現で、英語でいうところの「Let's go!」に相当する言葉だそうです。「行こう!」とか「一緒にやってみよう!」みたいな。『womo』読者のみなさんも本書を参考に、Allons--y!アロンズイ!

文芸春秋の『CREAウェブ』にアップされた『パリジェンヌ流おしゃれライフ』の特設ページに詳しく紹介されています。
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夕方から、三島へ。WEBエリアターゲティング(地域最適化)技術ではオンリーワンのIT会社サイバーエリアリサーチさんで開催された「fino(NPOふじのくに情報ネットワーク機構)」の2月定例会に出席。昨年よりfinoの理事長を任されているのですが、ほとんどお役に立てていない。みなさん、すみません。「役不足」ではなくて、これはわたしの「力不足」。 今年は、finoの存在感を内外にアピールできるように、努力したいと思います。

今日の定例会では、サイバーエリアリサーチさんの新しいライブチャットサービスと、同じく三島のハンズさんのスマホアプリの紹介が主な内容。2社に共通しているのは、請負仕事ではなく、自社開発サービスで勝負しているところ。目先の利益を追いつつ「こんなサービスが世の中にあったらいいな」「これはウチで実現しよう」というアイデアを優先して、開発、商品化して成長している姿勢に刺激を受ける。

他社さんを訪問すると、いろいろなところに目がいってしまう。受付にある内線案内表のデザインや座席表、壁にかけてる標語(内容だけでなく書体やボードにも)やグラフ、机のタイプ、資料の整理方法などなど。初めて仕事をする取引先やデザイナー・ライターさんの事務所にも、昔から必ず訪問してきましたが、事務所風景には、その会社なり経営者の性格や関心事が色濃くでてしまうらしい。サイバーエリアさんでも、とても興味を惹かれるグラフを発見。事務所内の非公開の場所でしたので、ここには書けませんが、おもわず「ヘー」とうなってしまいました。

…そろそろNHKラジオ第一の『ラジオ深夜便』で、 書評家で古本ライターの岡崎武志氏の「 今こそ古本が新しい!」が始まる時間。ということで、ブログはここまで。

いよいよ花粉症が始まる。春到来、ですね。



今日は、終日『イシューからはじめよ』を読む。「ほぼ日刊イトイ新聞」には、
著者の安宅和人さんと糸井重里氏の対談がアップされていて、ついでにこちらも読む。

目先の仕事を最高のクオリティに仕上げることばかりに
 集中していて、『本当にやるべきこと』に注力しない。
 だから、結果につながらない。


…など、耳が痛い言葉が並んでいる。
本を読むのは大変かもしれないけど、
こちらはさっと読めるので会社のみんなにも薦めたい。
自分の仕事を振り返るきっかけになると思う。

「ほぼ日刊イトイ新聞」安宅和人さんと糸井重里氏の対談
http://www.1101.com/ataka_kazuto/2012-01-12.html



静岡県がホット


午後は、テープ起こしをしながら、気分転換に、昨日Kさんから届いた写真を眺めて過ごす。Kさんは昨夏の米国旅行中にサンタバーバラのアムトラック駅で出会った米国在住の日本人。昨年秋、仕事で一時帰国したKさんと、静岡で2度目の対面をはたしている。

このときは、駿府公園を散策して、紅葉山庭園を案内した後に、地元の居酒屋に行ってみたいというので「Y」に寄ったのだけど、日曜は定休日。残念ながら、「Y」に漂う昭和の雰囲気と「Y焼き」を味わっていただくのは、次回来静の際のお楽しみになっている。

メールによると、この春、Kさんの古くからの友人が静岡パルコにお店を出店し、米国の友人家族は浜松に転勤になったとのこと。「私的に、静岡県がホットになってきました」というKさんと「Y」で飲む機会は、思いのほか早くやってきそうである。

「家のそばの写真を送ります。
 海側から見る風景を思い出しながら、陸側を散歩しました」

と書かれたメールに添付されていた写真が上の写真。
いつもの散歩コースと思われる海側からの風景も見てみたい。
こんな素敵な風景を見ると、テープ起こしは投げ出して、
ロスに行きたくなってくるなぁ…もちろん、行けないけど。



二十四節気の雨水も過ぎて、ずいぶんと暖かくなりました。
暦の上では、梅が見ごろを迎える時期というわけで、3月号の『womo』は、
春らしい明るくて鮮やかな、若草色の表紙が目印です。

3月号から『womo浜松版』では、「womoチケット」がスタートしています。
これまで以上に充実した「womo特典」が満載ですので、ぜひご利用ください。
           ↓   ↓

『静岡版』の巻頭では、womo女子に人気のおけいこやイベントを特集しています。
詳しくは「womo副編集長望月麻紀のブログ」をご覧ください。
http://fukuwomo.eshizuoka.jp/

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●womo恒例人気企画
静岡女子消費白書」の緊急アンケートを実施中。
▽詳細はこちら▽
https://members.womo.jp/contact/index/7



今日2月22日は、しずおかオンラインの前身となる「フィールドノート社」の設立日。今日で19回目の誕生日を迎えます。最初に出版した雑誌は『静岡アウトドアガイド』という、静岡県内のキャンプ場を紹介するガイドブック。クルマのトランクに雑誌を積んで、お隣の山梨県内の書店にも配本したことを、今でもよく覚えています。

「フィールドノート社」は、昨年10月に「eしずおか株式会社」としてリ・スタート。しずおかオンライングループの管理機能と、「eしずおかブログ」の事業推進を担っています。

19年の間には「株式会社しずおかオンライン」「SOLアイアーキテクト株式会社」「もしもしグルメ株式会社」の3社が加わり、今では、しずおかオンライングループとして地域情報の流通企業を目指し、豊かな地域生活の創造に取り組んでいます。

創業以来毎日、事業の発展、社員の成長、お客さまに喜んでいただけるメディア作りを目標に、前傾姿勢で取り組む中で、唯一、設立日は一瞬立ち止まって「この一年を重ねて、点と点を繋げてみる」きっかけになっています。

そんな今日は、たまたま2013年の新卒会社説明会と重なりました。せっかくなのでそんな話にも触れながら、しずおかオンライングループを紹介してみたいと思います。学生のみなさん、会社説明の会場でお会いしましょう。楽しみにしています。



「本」の死

新しモノ好きの性か、電子書籍の新しい端末やらフォーマットやらの話題は気になるものの、その行く末、つまり「死に方」ついては深く考えたことがなかった。11日にアップされたマガジン航の「電子書籍が死んだなら」を読みながら、どこかに無くしたり、貸したまま戻ってこなかったり、焼けてしまったり(確率はかなり低い)でもしなければ、「本」はいつまでも手元に残っているものという当たり前のことに気づく。たとえ、出版社が倒産しても、本はいつもと変わらずここにあるのだ。
一方、電子書籍は、「ストアの死」「フォーマットの死」「端末の死」「出版社の死」など、さまざまな「死」の可能性を秘めているという。電子書籍の出版社が死んだ時、その書籍の権利はどうなるのだろう?これからの出版社は、自身のそんな可能性をも想定して、準備しておかなければならないようだ。

・マガジン航「電子書籍が死んだなら」
http://www.dotbook.jp/magazine-k/2012/02/11/when_your_ebook_pass_away/

・しずおかオンラインの「電子書籍」




後輩たちにしずおかオンライングループを紹介する三輪君。

今日の午後は、浜松市にある静岡文化芸術大学で、しずおかオンライングループの会社説明会を開催させていただきました。教室いっぱいに集まってくれた学生のみなさん、ありがとうございました。

説明会に同行してくれたのは、静岡文化芸術大学のOBで新卒入社組の三輪君。彼は、『womo』の営業からスタートして、住まい情報課を経て、現在はグループ全体の管理部門で活躍してくれています。「入社後に、具体的にどんな仕事をするのか」「womoと他媒体との違いは何か」「就活する中で何を学んだか」などの質問に、三輪君が先輩としてのアドバイスを込めて答えてくれました。わたしが答えるよりも、学生さんに伝わったのではないかな。

「会社は、どのように探しましたか」という質問には、「就活サイトに紹介されている会社は、数ある企業の中のほんの一部。自分が興味を持った会社には、募集をかけているか、いないかにかかわらず、問い合せして会社訪問しました。どんな会社にも会いにいけるのは、就活生の特権」と三輪君は答えていましたが、わたしも同感。

就活サイトに掲載していない魅力的な会社は、世の中にたくさんあります。というか、そちらの方が多い。出版業界も、公には新卒採用をしていない会社の方が多いのではないでしょうか。とくに新しい企業、ベンチャーなどの将来に期待できる企業などは…。

最近起業した元気のいい出版社の本や、「出版分野にはスタートアップがあふれている」などの記事を読むと、出版業界のイメージも変わるでしょう。

いま現在の企業の姿や認知度、実績(これらは過去の財産ですね)も大切ですが、就活生のみなさんが活躍する5年後、10年後に成長している可能性の大きい企業(将来)にも目を向けてみることをおすすめします。この先に楽しみ、期待感があると、日々を頑張れるもの。しずおかオンライングループも、将来を期待される、そんな会社のひとつでありたいと思います。

就活中の学生のみなさん、ぜひこちらもご覧ください。

・しずおかオンライングループ採用HPはこちら
 http://www.esz.co.jp/recruit/index.html



5月に行われる将棋の第70期名人戦第4局が静岡市で開催されることを知り、これは楽しみだと思った矢先、A級順位戦8回戦で羽生善治が8勝目を挙げて無敗を守り、第十八世名人の森内俊之名人への挑戦を決めた。昨年の名人戦と同じ、森内名人と羽生さんの対局。これはちょっと見逃せない。

ところで今年は、将棋の名人位が誕生して400年の節目で、名人発祥の地が静岡市だという。このことを知る人は、静岡市民でどれほどいるのだろう。かくいう私もつい数日前に知ったばかりである。「名人」の称号は1612年、駿府城を居城とした徳川家康が、将棋指したちを御前で対局させる中、第一人者となった大橋宗桂に初めて与えたのだという。


写真は、今日、会社におみえになったお客さま、日本将棋連盟静岡県支部連合会会長の青島篤男さん。将棋手帳を見ながら、プロ棋士についていろいろと教えていただきました。名人戦が開催されることもすごいことですが、なんといっても「羽生さんは別格ですから」と語る青島さんの目が少年のように輝いていました。

対局は、江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜の屋敷跡に立つ、徳川家ゆかりの浮月楼で行われます。



会社に寄るついでに、中町交差点まで少し足を延ばし、外堀沿いに右折してすぐの唐木屋碁盤店へいく。手軽に持ち運べる碁盤を探しているのだ。会社からこんなに近いのに、お店に寄るのは10年数年ぶり。碁盤を買う機会は、人生でそう何度もあるものではないからね。お店にたどり着くと、カーテンを閉め切ったガラス戸に張り紙が。随分前に市内の大岩に移転していたらしい。移転先の地図をメモして帰る。碁盤もネットで探すのは簡単だけど、材質や木目によってそれぞれ表情が変わるので、ネットでの購入はためらってしまう。ヒマを見つけて、大岩のお店に行ってみることにする。


夜、『岳人備忘録ー登山界47人の山』を読む。 登山界の先端で活躍している若手クライマーやキーパーソンに、冒険思想、登山と生活、人生観が変わった登山、体調管理方法など、それぞれに「30の質問」をしてまとめたもの。 昨年のわたしの誕生日祝いにいただいた一冊で、 思いついた時に一人ずつ読み進めている。「生と死の分岐点」とか「登っていて無我の境地は?」とか、日常会話では滅多に語ることのない質問が並んでいる。

生身の人間が1000メートルもの壁を初見で人口手段に頼らずに一気に登るという発想をしたのはぼくが初めてで、その挑戦と成功をイメージしたときに、壮大なロマンというか、ぐっとくるものがあった」と語るのは平山ユージ。小山田大も、いい顔をしている。これまで何人かのクライマーの「30の質問」を読んでみて、単独行を主にしている人は共通してストイックさが言葉の端々から自然ににじみ出ていてかっこいいなぁと思う。

『岳人備忘録ー登山界47人の山』は、ぼくが会社の登山部に入っているということで選んでくれたのだと思う。しずおかオンラインの登山部では「生と死の分岐点」とか「無我の境地」には近寄らず、「安心、安全」を合い言葉に、景色を眺めたり山頂での昼食を楽しみたいもの。わたしの登山部入部申請書の動機欄には、「山頂で温かなお汁粉を味わえるから」と書いてある。これからも山頂での昼食を楽しむ余裕のある「おいしい登山部」であってほしいと願っている。この寒さが過ぎれば、春もすぐそこ。登山部の活動が始まるのがいまから楽しみである。



編集長の孤独


今週は通勤の合間に、有山達也氏の初著作『装丁のなかの絵』(四月と十月文庫)を読んでいる。有山達也氏は、雑誌『クウネル』や『雲のうえ』、川上弘美『ざらざら』、高山なおみ『じゃがいも料理』などの装幀を手がけた人気グラフィックデザイナー。

『装丁のなかの絵』は、有山達也氏が美術雑誌『四月と十月文庫』に連載したエッセイをまとめたもの。アートディレクター・デザイナーとして仕事の現場で、写真家やイラストレーター、編集者たちと、どのようなやりとりが行われ、そのときどきにどう考え対応し、仕上げていったかが描かれている。

2002年に創刊された『クウネル』を初めて手にした時に、その飾らない表紙の新鮮さ、使用している書体の清潔感、広い空を見るような気持ちのいい余白、友人のスナップみたいな自然な写真が印象的だった。「新しい時代の空気を取り込んだ、これまでにない雑誌の登場だ」と思ったことを、いまでもよく覚えている。それからの10年は、彼のデザインが雑誌界においてスタンダードになっていった時代ともいえる。

本書の中に『クウネル』創刊時の頃の話で、 雑誌『クウネル』の企画を立ち上げ、創刊編集長となった岡戸絹枝さんとのやりとりもでてくる。社内の稟議を通すための台割とは別に、岡戸さんが用意していた本当に作りたかった台割をもとに、有山氏と二人三脚で『クウネル』を1号ずつ作っていく。

岡戸さんが『クウネル』で表現したかったことは、「それぞれの人の身の丈にあった、実のある(根のある)生活を丁寧に描く」こと。それは、偏屈さや不器用さ、非効率が詰まった雑誌でもあった。

そんな岡戸さんの思い描く雑誌は、社内だけでなく、ライターさんやカメラマンさんなどのスタッフにもなかなか理解されない。納得できなければ上司に楯突き、販売部と揉め、広告のクライアントに食い下がる。記事の隅々まで目を通し、ライターさんにも編集者にもダメ出しの連続だったという。

わけもわからず何度もダメ出しされるライターさんや編集者は、大変なストレスを抱えたことだろう。その一方で、何もないところから『クウネル』を成功させるために突き進んだ岡戸さんは、本人にしかわからないほど大変なエネルギーを要したにちがいない。やりたいことと売上げの狭間における社内のプレッシャーも。そこには、編集長がひとりで抱えこまなければならない大きな孤独がある。

新しいコト、初めてのコトに取り組む時、想定の範囲内外を問わず、さまざまな障害にぶつかるもの。その時、喉からでかかる「仕方ないよね」という言葉を呑み込んで、どこまで突き進められるか試される。「人は形にして見せてもらうまで、自分は何が欲しいのかわからないものだ」といったのはスティーブ・ジョブスだけど、当時の岡戸さんもジョブズと同じ気持ちで、同じような振る舞いをしていたのではないだろうか。

何の根拠もないけど、わたしは、新しいことを成し遂げる人は、自分自身の中に大きな「孤独」を棲まわせることのできる人でもあると思っている。

久しぶりにデザイナーの書いた本を読んだのですが、本を作る仕事の喜び、本づくりに携われることの幸せ、現場の苦労と楽しさを思い出しました。

今回『装丁のなかの絵』を手にして、初めて「四月と十月文庫」を知ったのですが、こちらも洗練された美しい本です。ノンブル(ページ数)の位置や余白もきれい。

・『四月と十月』これまで刊行された本たち
  http://4-10.sub.jp/backnumber.html



海野 尚史 HISASHI UNNO

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