平均値

  • 2011年06月02日
  • womo
先週の日曜日、埼玉県川口市で開催されたイベント「文化系トークラジオ Life in 川口ーまちのかたち、買い物のかたち」 に出かけてきました。

30代のフリーライター速水健朗さんを進行役に、20代の社会学者古市憲寿さん、40代の日経BPプロデューサーの柳瀬博一さんの3人によるそれぞれの消費(感覚)論は、かみあわない部分も含めて新鮮だった。

小さな差異に身の丈以上にお金をかけていたバブル消費を、わかりやすく強調して説明していた柳瀬さんの話に、「なぜそんなバカなお金の使い方をするのかわからない」という古市さんの反応は、今の若い世代の人に共通するまっとうな感覚だと思う。20万円、30万円もするアルマーニのスーツ、しかも色はグリーンだったり…などを20代の就職したての若者が買っていたなんて、やっぱり普通じゃない。(でも、その時代の中では気づかないし、いまこの時代においても同じような事象がおきているのだろう)

「まちのかたち、買い物のかたち」ということで、 都心と郊外、地方と都市の距離と消費感覚がテーマだったのですが、若者=ファストファッション、地方=ショッピングモール消費、ショッピングモール=画一的、文化度低、などのステレオタイプな区分にはおさまらない新しい消費のカタチが、都市とか地方にかかわらず、同時多発的に生まれているのではないか、という視点がこの日のポイントか。ただ、そのあたりについて、あまり議論が深まらなかったのが残念。

新しい消費のカタチの具体例として、雑誌『Mart』(光文社)の読者の事例が紹介されていた。身の丈消費で日常を楽しむ主婦?とでもいいましょうか。会場からは、『Mart』の読者とは違ったタイプとして『Lee』の読者層がいる、という声も上がったが、どちらの雑誌も読んでいないわたしとしては、その違いがよくわからなかった。ただ「30代女性」といっても、ひとくくりにできないことは確か。

アンケートや統計などでは、平均値で全体を判断しがちですが、その中身は様々。4月号で『womo』会員さんにアンケートを行いましたが、平均値からは見えてこないことが多々あるだろう。静岡女子も様々なはず。先日も新入社員の伊藤さんが営業現場で気づいたこととして「良いものであれば費用はかける消費者と、とにかく価格が安いことにこだわる消費者に大きく二極化している」と感じたと話してくれたが、それも平均値からは見えない変化である。

会場には、「ぼくは、ビビアン・ウエストウッドしか着ません」という立教大学の学生も参加していた。パンクの父といわれるマルコム・マクラーレンを信奉している彼がその日着ていたスーツは25万円という。そんな学生がいることも、統計からは見えてこない。
「君は、本当は40代じゃないの。君のような学生さんがいて安心したよ」とつっこみを入れた柳瀬さんの気持ちがよくわかる。

…なにを書きたいのかわからなくなってしまいましたが、
それはいつものことということで(笑)。

古市憲寿さんの話をもっと聞いてみたかった…。

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