先日、WEBディレクターのOさんと若手起業家Nさんの3人で開いている
『コトラーのマーケティング3.0』読書会の第3回目を開催。
本テキストについては、今回で最終回となった。
マーケティングの考え方や購買動機の変遷と、
今日起こりつつある変化について書かれているのだが、
これがなかなか一筋縄では理解できない内容。
この日も苦労しながら最終章まで読み終えたところで、
Oさんが一言こうおっしゃった。
「なんだかんだ言っても、日本人は同調圧力に弱いんじゃないの」
…なるほど、鋭い透察である。本質的な答えは、そこにあったのか。。。
機能やら、デザインやら、エコやら、信頼やら…
商品にはさまざまな記号が付与されているが、
それよりも、店員さんの「この商品が一番売れています」
という、決めゼリフを聞いた瞬間に
それまでの情報収集の努力は霧散し、思考は停止、
「…それでいいです」と予想外の返事をしている自分に気づく。
お目当ての商品は別にあったのに…、
後ろ髪を引かれる思いで売り場を後にする自分。
商品の価値で選んでいるのではなく、悔しいかな
あきらかに店員のひとことに同調力を発揮してしまう。
つい、押し切られてしまう。
思い起こせば、わたしたちはそんな選択を、
日々繰り返しているのかもしれない。
ランキング好きなことも、一旦ランキングに入ると
浮動層からの吸引力が急激に高まる現象も、
積極的“同調”といえなくもない。
震災後の“とりあえず自粛”的な雰囲気も記憶に新しい。
女性の場合はある年齢に達すると、きっと身内や親類縁者から
男性には想像もつかない “同調圧力” がかかっていることだろう。
就職活動中の学生さんにも同じことが言えるのでは。
職場にも、きっと目に見えない“同調圧力”が存在する。
週末に文化系トークラジオ Life の「
2020年のわたし」
のポッドキャストを聞いていたのですが、番組の中で
「未来を考えると不安になるのは、
日々が消極的選択の繰り返しになっているからでは」
という話があった。
つまり、自分がそうしたいから決めているのではなく、
「仕方なく決めている日常」
「みんながそうしているから、自分もそうしてしまう毎日」
とでもいいましょうか。
同調圧力による選択も、まさに消極的選択。
結局日本では、マーケティング戦略の中に、いかに巧妙に
“同調圧力”を組み込むかが効果的ということか。
想定外のオチがついた『コトラーのマーケティング3.0』読書会でありました。
空気の読み疲れにも要注意なのだ。