東京国際ブックフェアと同じ会場で行われた本の学校・出版産業シンポジウムへ。

出版社、書店、取次会社など出版業界を構成するメンバーが参加して、

「雑誌市場の縮小や、パイの拡大なき売り場面積の膨張、そしてデジタルネットワークへの対応など、多くの産業的な課題を抱える今日、最新の情報を交換し、忌憚なく討論…。これを機会に、将来の展望を描く…」

…そんな話が飛び交うのかと期待していたのですが、印象に残ったのは第1部の特別講演にパネラーとして登場していたインフォバーンの小林弘人会長の「出版業界で話し合っている内容は10年前とちっとも変っていない」という、いきなり今日のシンポジウムに水を差す発言(笑)。「自助努力では変革できず外圧に期待する」
気配が我が社にもないか気になりました(汗)。

CCCコミュニケーションズの荒井氏が事例として紹介した、
個人購読データにもとづく、雑誌の売上推移の予測や、
データから廃刊・創刊を検討する、というお話は、
会場に来ていた出版社の方々には刺激が強かったのでは。

私自身も「ここまでデータが採られているのか」と驚きました。
一方で、すでに存在するデータでさえ編集の現場では
活かされていないという事実も。

出版界の将来の展望を描くのには、もう少し時間がかかりそうです。

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