午後、「電子書籍スタートガイド」の執筆者である大石直哉さんの事務所にでかけて、「ひと月にひとりの物語」の2回目のインタビュー。楽天のkoboやiPad miniの発売、アマゾンのキンドルストアのオープンなど、何かと話題の電子書籍についてお話を聞いてきました。そのあたりについては、12日公開の「ひと月にひとりの物語」に詳しく書く予定なので、そちらをぜひご覧いただきたい。

今日のインタビューで面白かったのは、満たされない感覚をどうやって埋めるのか、という話。大石さんは10代の頃から、親や学校に与えられる情報や、新聞やテレビなどのマスメディアで用意される情報だけでは何かが足りない、どこか満たされない感覚が常にあったのだそうだ。その満たされない部分を埋めてくれたのが雑誌であり、そこで出会ったサブカルチャーやカウンターカルチャーが、世界を広げてくれたという。

この感覚は、わたしもよくわかるなあ。でも、今となってはサブカルチャーもカウンターカルチャーも死語になりつつある。はっきりいってそれら生活の役に立たない情報は肩身が狭いし、誰もお金を払ってまで雑誌を買おうとはしない。読者の側も別段、向こう側からやってくる情報だけでは何かが足りないとか、満たされないという感覚がなくなってきているからだろう。というか、今は消化しきれないほど情報はあふれている。

こんな話を家ですれば、毎度のことではあるが高一の娘に「時間が止まってるよ」と一蹴されてしまう。その娘が、先日の日曜日は朝から白土三平の『カムイ外伝』を積み上げて読んでいた。最近、澁澤龍彦や稲垣足穂、寺山修司、萩尾望都あたりを熱心に読んでいる。中島らもにも手を出している。何か満たされていないのだろうか。…どうなっているのやら。

大石直哉さんの『電子書籍スタートガイド』はこちらから読むことができます。
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満たされない感覚

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