静岡市追手町のLivebarFreakyshowで開催されたトークイベント、「Talk Live 平岡正明上杉清文」へ行ってきました。

“トークイベント”と聞いて私が連想するのは
・70-80年代
・サブカルチャー
・ゲリラ的
・ミニコミ  
 etc…
いずれもアングラ的な、かなりかたよったイメージですが、最近はどうなんでしょう?

私自身もいまから20数年前に、仕事と称して
作家の椎名誠や故影山民夫氏を招いて“トークイベント”をやったことがあります。
二人ともまだ売れる前でしたが多くの人が集まってくれたことで、
“自分が聞いてみたい人の話を、自分以外にも聞きたいという人がいる”
という単純なことに気づくきっかけになったように思います。今回のイベントは草薙の書店、戸田書店リブレ中之郷店のIさんの企画。
年齢・性別・服装などさまざまな客約50人程が、薄暗い地下のお店に集まり、
平岡正明氏と上杉清文氏の話に耳を傾けました。

演奏者の名前は聞きとれませんでしたがジャズと「ほんだら行進曲」(植木等とクレージーキャッツ)のBGMとともに始まった、あっという間の3時間。
話の中身はいまでも上手くまとめられません。(笑)
当日でかけていた方は、きっとわかってくれると思いますが…

それは、「期待はずれだった」とか「話がおもしろくなかった」ということではありません。

3時間のトークそのものが、上杉清文氏がリズムセクションとして全体を引っ張りながら、
表現的には平岡正明氏のアドリブを全面に引き出したライブだった、
という印象が近いかもしれません。

松岡正剛氏によると「何の主題を書いても読者をスウィングさせられる著者」が平岡正明ということになるのですが。

見に来ていた方は、演奏される曲(お話)の意味よりも、
言葉が言葉を引き出していく連続する瞬間に生まれるグルーブ感そのものを
楽しんでいたのではないか…、
とわたしなりには受け止めていますが、さてどうでしょうか。

その“グルーブ”感を上手くまとめるのが難しい…

飛び入りで途中から、出版界では伝説的天才編集者と呼ばれ、現在は白夜書房取締役の末井昭氏をはじめ、俳優・映画プロデューサー・クリエイティブディレクターなどの多くの顔を持つ秋山道夫男氏、そして「月間さぶ」の創刊編集長にして末井昭氏をして“兄貴”と呼ばれる編集者、櫻木徹郎氏、そして鈴木…氏の4名がゲストとして登場。

ますます、Livebar Freakyshowの夜はグルーブしていったのであります。

フライヤーのコピーを借りてイベントの主旨を少し紹介します。

 ・  ・  ・

ぶわーっといこう! 


なにを? 革命をだ。

平民芸術をだ。

犯罪を

アングラをだ。


天才編集者、末井昭の雑誌「ウィークエンド・スーパー」に連載された

「超差別対談」から二十年。

「革命とは連夜の討ち入り、連夜の宴会である」という思想は

どう変化したのだろうか。

また、このようなPC的な配慮が必要とされる現在、

あの歯に衣着せぬ対談が一体可能なのだろうか。

とまれ、ネオリベなんぞに絡め取られることのない、

場末の、強靭で、そして正しい思想を乞うご期待!


・  ・  ・


というテーマ?での話だったようです。

当日の話の中で出てきた言葉を一部紹介します

・大杉栄
・植木等
・三島由紀夫
・シュールレアリスム
・「だらしなさの快楽」
・ダウンビート
・南伸坊
・ヒロポン
・なめくじ
・「落語がジャズに…」
・柳家三亀松
・「私有財産ゼロの美学」
・「清水の次郎長はヤクザの革命家」
・「癒しブームは密教の流れ」
・「スイカ畑でつかまえて」
・「全中連」
etc…

今日は50名程の小さな集まりでしたが、このようなイベントが
あちこちで開かれる街を想像してみたくなります。

このイベントを企画した戸田書店リブレ中之郷店のIさんに、
今度はお話を聞いてみたいですね。
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