愚かな人たちさ
映画『海燕ホテル・ブルー』上映後に舞台挨拶に立った(写真左から)若松監督、俳優の片山瞳さん、地曳豪さん、そして井浦新さん。

今日は、先月〈eしずおかブログ〉上でご案内した「eしずおかブロガーさんご招待! 若松孝二監督舞台挨拶&新作上映会」にでかけてきた。会場は、静岡シネ・ギャラリーさん。

映画『海燕ホテル・ブルー』は、一人の女・梨花をめぐる3人の男の話。主演の地曳豪さんが演じた、一人の男(幸男)が壊れていく姿が見ものか。

今年75歳ながらも精力的に作品を撮り続けている若松監督による舞台挨拶も魅力的でした。『キャタピラー』と『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』の二つの作品の間に、思い切り“遊び”ながら撮ったのだそうだ。

昭和三部作の二つ『キャタピラー』と『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』などのテーマ性の強い作品を撮っていると、“遊び”というか、もっと自由に、純粋に映画づくりを楽しみたくなるのだろう。映像は、なつかしのATG作品を彷彿とさせる。

片山瞳演じる男を惹きつけて離さない女が、映画の鍵となっている。映画のラスト近く、女を求めて地獄(大島の砂漠)に落ちていく男たちに向かって女が叫ぶ「愚かな人たち!」というセリフが、あまりにもストレートだった。女の叫ぶ言葉に動揺してしまった愚かな自分の姿を誰にも気づかれないように会場を後にした。

・映画『海燕ホテル・ブルー』上映情報
 5月12日(土)〜25日(金) 静岡シネ・ギャラリー
               http://www.cine-gallery.jp/


同じカテゴリー(映画・演劇)の記事
映画『華氏 119』。
映画『華氏 119』。(2018-11-18 15:35)


海野 尚史 HISASHI UNNO

アーカイブ