「団塊の本音トーク第一弾」のゲストとして昨年は静岡にも来ましたコンセプター坂井直樹さんのブログ
「デザインの深読み」が、昨年12月に本となって出版されました。
本書の「はじまり」で触れていますが、この本は「コンセプター坂井直樹が日々接する大量のデザイン系の雑誌・ネットなどから瞬間的に選んだ情報を備忘録としてブログで取り上げ、そのまま出版する」というアイデアが最初にあり、そこから「デザインの深読み」というブログはスタートしたのだそうです……▼ブログを書き続ける中で編集者の目にとまり、結果として出版される例はいまでこそ珍しくはありませんが、本書の場合は、最初から出版という目標に向けてブログを立ち上げた、いわば計画的な産物なわけですね。
興味本位で、本書の文章がどの程度ブログで書かれた原文に忠実なのか見比べてみたのですが、わたしの間違いでなければ大幅に加筆修正されているようです。
取り上げている素材はブログの中から選ばれていますが、かなり取捨選択されているようですし、順番もブログにアップされた時系列ではなく、編集意図に沿って並べ替えられています。さらに書籍ではブログに比べて、文体も内容も文字量も随分と整理されているように思います。
また、ブログでアップされていた写真は著作権の許諾の関係でしょうか、すべてイラストで書き下ろしされていますので、ブログとは随分印象が違って見えます。
2008年1月20日のブログの中でご本人も文章に触れています。
雑誌の連載を出版した「デザインのたくらみ」と比較して、ブログから誕生した書籍「デザインの深読み」についてご本人は、「ザクッとしたスピード感溢れる文章」と書かれています。
同様に「デザインの深読み」だけをとってみても、書籍の文章は随分と意識して再編集されているように感じられるのに対し、ブログのナマの文章はさらに「ザクッとしたスピード感」を感じるな〜。
片耳がダンボのように大きく描かれているキュートなイラストの装丁は、グラフィックデザイナー
原研哉さんの仕事です。