4月の茶禅の会は、駿府城公園の紅葉山庭園茶室で開催。テーマは「茶室のしつらえを学ぶ」でした。数寄屋造りの茶室「雲海」は広間ですが、茶室の基本の四畳半より小さい「小間」の間取りについてM先生に教えていただきました。

小間の魅力は、草庵風のしつらえ。四畳半から一畳台目の広さの違いのほか、亭主が着座した時に床と客畳が右側に来るように配置した本勝手と、亭主の左側に客畳がくる逆勝手など、小さな空間の中に多彩なバリエーションがあります。それら一つひとつに意味があり、機能的に考えられていることを知ると、さらに興味が広がります。

M先生によれば、茶室の広さや間取りは主人(施主)の個性や嗜好、センスのあらわれなのだとか。最近は畳の部屋のない家が増えていますが、和室について知ると、わが家に小間の一つでも作ってみたくなるのでないかと思います。

下の写真は、「雲海」の広縁から眺めた新緑鮮やかな紅葉山庭園の青もみじ。

先週、桜が散った数日後、駿府城公園東御門の巽櫓で記念写真を撮っている欧米系の観光客のグループを見かけました。その日は、清水港に客船が入港する日でしたので、きっとその乗客ではないかと思います。残念ながらお花見は楽しんでいただけませんでしたが、数寄屋造りの茶室「雲海」と紅葉山庭園の青もみじを見学した人がいたならば、静岡市のことを少しは記憶に留めてくれたのではないでしょうか。

「雲海」で茶室のしつらえを学ぶ。



「雲海」で茶室のしつらえを学ぶ。


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海野 尚史 HISASHI UNNO

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