今年もボブ・ディランの歌をよく聞いた一年でした。今日は、萩原健太の『ボブ・ディランは何を歌ってきたのか』(Pヴァイン)を読みながら過ごしました。ノーベル賞の授賞式では、受賞に対する感謝の気持ちと、シェイクスピアを引き合いにして「創造性の探究と世俗的な事柄で頭がいっぱいで、自分の歌が文学だろうか、などと自分に問いかけたことはなかった」(NHK)という、ディランらしいコメントが代読されたようです。

今年4月、ボブ・ディランは8回目の来日をしています。「ボブ・ディラン JAPAN TOUR 2016」のコンサート会場の一つだったBumkamuraオーチャードホールの入口では、若かりし日のボブ・ディランが出迎えてくれました。この日のアンコール曲は、「風に吹かれて(Blowin' in the Wind)」。もちろん、新しいアレンジで。この時には(「当日券販売」の文字が語っているかのように)ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞するとは思ってもみませんでしたが、2016年のいい思い出になりました。

ボブ・ディランが何を歌ってきたのか、について忖度することは楽しいですが、かといって正解があるわけではありません。一方、「ライク・ア・ローリング・ストーン」のリフレイン、「How does it feel ?」という問いかけは、自分自身に対していつまでも有効なのでは。

How does it feel?


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