『酒井駒子小さな世界』(Pooka+)娘が読んでいた『酒井駒子小さな世界』(Pooka+)を借りて酒井駒子の世界を覗く。

「Pooka+」は「Pooka」が新装刊したもので、第二弾として、絵本作家・酒井駒子を特集しているのだ。

酒井駒子の絵本は「よるくま」「きつねのかみさま」「赤い蝋燭と人魚」の3冊が手元にあって、彼女の絵を見ているといつも「いわさきちひろ」が重なってしまう……▼吉祥寺の絵本専門店トムズボックスを主宰している絵本編集者・土井章史が
「子どもの表情、刹那のカタチ。…遠い記憶の中から甦らせるわが子の一瞬の表情、“切ない”なにか…」が「いわさきちひろ」の描く子どもとの接点ではないか、と書いている。

そんな気もするのだが…
文中で編集者は酒井駒子の絵について
「情感」という言葉を使っている。

「私達は考えるともなく物を考えていることがある。知らず知らず無念になって景色を眺めていることがある。そのうちにふと我に帰って日常意識の中に立戻るのだが、我に帰る以前に心にあったものが情感なのだ」
(考察/http://www.asahi-net.or.jp/~VS6H-OOND/think1.html

酒井駒子といわさきちひろが描く
「我に帰る以前に心にあった」情感の世界が
重なって見えるのかもしれない。

同じカテゴリー(本・雑誌)の記事

海野 尚史 HISASHI UNNO

アーカイブ