好きで取り組んでいる人

昨年暮れから、しずおかオンライングループのビジョンを紹介するアニメーションを制作している。アニメーションの制作を担当している海野林太郎君は、わたしの甥っ子。この正月、林太郎君は大学から録音機材を借りて帰省している。今日は、その林太郎君の指示に従って、ナレーションを録音した。

「ここは会社の思いを伝える台詞だから、気持ちをこめて話さないと伝わらないよ」
と、大学2年生の林太郎君に何度もダメだしされながら、繰り返し台詞を読みあげる。3分ほどのナレーションが、こんなに難しいとは。

自分の声に自信はないし、滑舌が悪いことも自覚している。それらは、いまさらどうしようもない。それよりも、気持ちを込めて話すということが、うまくできないことにことに驚いた。自分の話し方の特徴は、本人には、なかなかわからない。この歳になるまで無自覚に話してきた自分に赤面してしまうが、正月早々、そのことを気づかせてくれた林太郎君には感謝である。

林太郎君は、現在、大学で先端芸術を学んでいる。高校生のときから、正月やお盆に帰省する際には必ずビデオも持ってきて、暇さえあれば、海岸やら廃墟やらを撮影しては映像作品を作っていた。映像を作ることが、本当に好きなのだと思う。今回、アニメーションを制作するにあたり、誰に制作をお願いしようかと考えた時に、ふと、そんな彼のことが頭に浮かんだ。

林太郎君なら、どんな映像を作るのかな。そう想像してみると、わたしには思いつかない新しい世界を作ってくれそうな気がした。それに、今回制作しているアニメーションは、新卒採用の会社説明会で大学生に見てもらうものだし、なおさら同じ世代の発想が、同世代にはわかりやすく伝わるのではないかと。

今回の制作スタッフは、イラストレーションも、背景に流れる音楽も、手本となるナレーションも、そして映像編集も、すべて林太郎君の編成による大学生チーム。それだけでも、ちょっとわくわくする。

林太郎君にナレーションの吹き込み指示をされながら、好きで取り組んでいる人、そして若い人と仕事をするのは本当に楽しいと実感した。今年は、そんな機会を増やしていきたい。予定調和の範囲内できちんと仕事をしてくれるプロも不可欠ですが、どんな仕上がりかドキドキさせてくれる若い人たちに機会を提供することも大人の役割。

アニメーションがどんな仕上がりになるのか、今からとても楽しみである。


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